不動産の上手な活用法と注意点について

不動産の資産活用について

1.アパートや賃貸マンションの建設
一時期、地主に対して銀行や建築業者などが、盛んにアパート経営で資産活用をするようにお勧めしたときがあります。

アパートや賃貸マンションの経営がうまくいって、不動産収入で悠々自適に暮らしている人も中にはいますが、

入居者にめぐまれずにローンの返済に四苦八苦している人もいる

のが現実です。

アパートや賃貸マンションの経営をしようとするときには、建築業者などの営業トークを頭から信じ込まないで、自分でもしっかりと経営が基盤に乗る見込みがあるかどうか考えることも必要ですね。

2.駐車場として貸す
土地の資産活用法としては、一番リスクが低いです。

そうはいっても、

どこでも駐車場にすれば利益がでるというわけではありません。

車のオーナーの家に近かったり、駅に近いなどの立地条件が良いところでないと採算が合わないケースもでてきます。露天駐車場ならば管理は必要ないでしょうが、駐車場を利用しているときに車を傷つけられたなど、借り主とのトラブルが起きることもあるかもしれません。

さらには、車を駐車場に置きっぱなしにして、借り主が行方不明になり、勝手に処分することもできない状態になるトラブルも実際に起きています。

3.借地として貸す
戦後は、借地として土地を貸すことはあまりありません。

これは、「借地借家法」という法律によって、地主の側に正当な理由がない限り、一度貸してしまうと、

借り主から土地を返してもらうことができなくなるからです。

これを防ぐために、「定期借地権」という制度ができて、契約期間が過ぎたら土地を返すような決まりができましたが、現実的にはそれほど活用されてはいません。

不動産の資産活用と法律について

不動産の資産活用法としては、賃貸アパートや駐車場として貸すことが一般的ですが、あらかじめ利益がでるかどうか検討することが大切です。

それと合わせて、入居者などとの間に起こるトラブルにどう対処するか、契約時の問題、法律による建物の規制などについても充分に考えておく必要があります。

賃貸アパート・マンションの経営では、業者に委託して行うことも一般的ですが、建物のオーナーとして、

最低限の法律の知識は必要でしょう。

不動産の資産活用と法律上の重要点について

1.土地の賃貸について

建物を建てることを目的として土地を貸すと、「借地借家法」が適応されます。地主の側に正当な理由がなければ、借り主から土地を返してもらうことはできません。

「定期借地権」による契約で土地を貸した場合は、契約期間が終了すると、土地を返してもらうことができます。

2.家屋の賃貸について

家屋の賃貸に関しては、「借地借家法」が適応になります。一般的な賃貸のケースでは、家主の側に正当な理由がなければ家屋を返してもらうことはできません。

平成12年(2000年)3月1日からは、「定期借家権」制度がはじまり、一定の期間が過ぎたら家屋を明け渡す制度ができました。それから、取り壊し予定の建物を貸す場合には、「建物を取り壊すときに契約が終わる」ことを契約で取り決めることができます。

3.賃貸アパート・マンションを建てて貸す

アパートやマンションは、法律上は「借家」です。入居者に退去してもらうためには、正当な理由が必要です。「定期借家」の契約なら、一定期間が過ぎたら返してもらえます。

契約更新のときの更新料や、退去するときの敷金の返還についてのトラブルが起きる場合が多いので、入居するときに、

しっかりと契約書に明記することが大切

です。

4.信託方式でアパート・マンションを貸す

信託方式でのアパート・マンション賃貸は、土地のオーナーから信託を受けた信託銀行が、お金を調達して土地に建物を建て、入居者や建物の管理から運営まですべて請け負います。そして利益を配当金としてオーナーに還元するのです。

不動産経営の経験のないオーナーに代わって、経験豊富な信託銀行が管理・運営して土地を有効に使うというシステムです。

5.業者による一括借り上げ・等価交換システム

一括借り上げのシステムは、業者に賃貸アパート・マンションを借り上げてもらって、請け負った業者が入居者を探します。管理や運営も請け負った業者が行います。

建物のオーナーは、経営に関するリスクを軽減できるので有効な手段ですが、その業者が倒産した場合などには問題が残るケースがあります。

等価交換システムというのは、オーナーが土地の一部を業者に提供して、業者が建築費を負担します。オーナー側としては、

資金がなくても物件を建てられる

という利点があります。一般的には、等価交換システムでは、土地と建物をオーナーと業者が共有するケースが多いです。

6.駐車場として貸す、その他

土地を駐車場として貸すのは、一番コストがかからず手間も省けます。

しかし、どんな土地でも駐車場にすればもうかるわけではないので、車の所有車の住宅が近くにあるとか、駅に近いなどの立地条件にめぐまれていることが重要です。

また、駐車場として貸すのは、法律的には土地の賃貸ですが、「借地借家法」が適応されるわけではなくて、契約が終われば土地を返してもらえます。

その他、公共機関に公園として貸し出すなどの方法もあり、

節税対策として有効

です。

賃貸アパート・マンションを建てて貸す

賃貸アパート・マンションのオーナーになる場合には、まずはそこに住みたいという人がいるかどうか考慮することが大切です。

ニーズがないところに賃貸物件を建てても赤字経営

になるだけです。しっかりと計画を立てるところからはじめましょう。

賃貸アパート・マンションの経営で考慮すること

入居者のニーズを考慮する

分譲マンションがたくさんあるわりには、賃貸アパート・マンションのニーズはそれほど低くなってはいません。

核家族化が進んでいて、一人世帯も多くなってきていることから、一般的な賃貸物件のニーズはそれほど落ち込んではいないのです。

でも、入居者のニーズは変化していて、立地条件にめぐまれていることや、内装や設備がキレイで使いやすいものを従来よりも好む傾向が強くなってきています。

交通の便や周辺の施設などの、

物件まわりの状況がカギ

になってきます。

不動産経営で採算がとれるか考慮する

土地や建物のオーナーで、なにもしなければ、ただ税金がかかるだけになってしまいます。それならば、不動産を有効に活用しようと考え、賃貸アパート・マンション経営や駐車場の経営を思いつく人が多いでしょう。

駐車場を貸すことは、一般的に、賃貸アパート・マンションを貸すことよりも収益が低くなるので、どうせならとアパート・マンションを建設して賃貸することを選ぶ人も多くなってきます。

そうはいっても、日本も経済的には回復していますが、まだまだ空室も目立ちますから、採算がとれるかどうか事前にしっかりと考えなければいけません。物件を建てて入居者を募集してみたら、ほとんど応募がなかったというのでは大変です。

不動産経営の検討事項について

事前の検討事項としては、以下について考えるとよいでしょう。

1.賃貸アパート・マンションの建設費用の問題
2.どのような物件を建設するのか
3.賃料をいくらにするのか
4.管理体制はどうするか

などです。

1番目の建設費用の問題については、自己資金で調達するのか、お金を借り入れして建設するのかです。定年退職した人など、これから賃貸物件の賃料によって暮らしていこうと考えている人を除いて、一般的には不動産所得以外の所得もあるでしょうから、

借り入れたほうが税金面で得

になります。

それから、「省エネ・サービス付き高齢者向け賃貸住宅」の場合には、「住宅金融支援機構」から借り入れすることができます。

2番目のどのような物件を建設するのかについては、建設費用との兼ね合いもあります。住宅にも流行のスタイルがありますから、消費者はどんな物件を望んでいるのかを、業者と話し合ったり自分で調査することも大切になってきます。

3番目の賃料をいくらにするかですが、これはちょっと難しいです。仲介してもらう不動産業者に行って、地域の相場を知り、採算がとれるかどうかを考えながら賃料を設定します。このとき、満室になることを想定して計算をするのではなくて、10%から20%の空室が出ることを前提にして採算がとれるかどうか計算するとよいです。

4番目の管理体制についてですが、建物を管理するためには費用がかかるのが当然です。管理費をいくらにするのかも、その地域の相場にもとづいて決めるしかないでしょう。

賃貸アパート・マンションの最近の問題とは

バブルが崩壊した後、アパートやマンションをめぐる問題がいくつか表面化しました。

1.相続税対策として、賃貸アパート・マンションを建設したが、借金の返済に苦しんでいるケース。

2.賃料が下がったり、空室が多くて、見込みと違って採算がとれなくなってしまったケース。賃料の減額請求をされるケース。

オーナーとしても、このような状況になると、金銭的に厳しくならざるを得ません。結果として、

金銭トラブルに発展してしまうことも

よくあります。賃料や更新料、敷金返還のときのトラブルも起こりやすくなるのです。

一昔前までは、賃貸アパート・マンション運営することは、片手間でできるような部分があったのですが、今ではきちんと経営として考慮しなければなりません。関連する法律の知識も必要ですし、不動産経営のノウハウをしっかりと学んで、管理・運営していく必要があるのです。

駐車場として貸し出す方法と注意点について

駐車場を経営することは、手間や費用もあまりかからずに始めることができます。

土地を、建物を建てる目的で貸すのではないので、「借地借家法」も適応されませんから、契約が完了すれば土地も戻ってきます。

将来的にはなにか建てるとしても、当座の更地の活用法として向いています。

駐車場を作るときの注意点とは

駐車場を作るときには、一定の基準を満たさなければいけません。

<露天の駐車場を作る場合>
露天の駐車場については、昭和26年(1951年)に規定された運輸省令「自動車点検基準」6条の「自動車車庫の基準」を満たしていなければいけません。車庫の面積は、自動車の日常点検および清掃や調整が実施可能な充分なスペースを有することが必要です。

また、平成2年(1990年)の法改正で、車庫証明を出す広さは、自動車の全体を収容できる面積があればよいということになりました。

<屋内駐車場を作る場合>
屋内駐車場を作る場合には、建築安全上の規制が必要になってきます。

東京都建築安全条例の場合、以下が定められています。

1.原則として、自動車車庫等の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が300㎡ (平屋建て600㎡)を超えるものは、耐火建築物としなければならない。

2.耐火建築物としなければならない建築物は、自動車車庫等の用途に供する部分とその他の部分とを耐火構造の床もしくは壁または特定防火設備で区分けしなければならない。

以上2点のほかにも、出入り口などに関しても細かく規制されています。

<ビル内駐車場を作る場合>
ビル内の駐車場を作る場合には、屋内駐車場を作る場合よりももっと細かい規定があります。

しかし、これらは建築業者がやる仕事ですから、業者側にきちんと調査させれば大丈夫です。法律でどのように規定されているかは、役所で確認すればわかります。

駐車場の契約を結ぶ際に気をつけること

駐車場契約の内容について

駐車場の契約に関しても、内容に応じていろいろなものがあります。

たとえば、代表的なものを挙げてみます。

1.土地全体を1つの会社などに駐車場として貸すケース
2.土地を何区画かに分け、その1区画ずつを貸すケース
3.土地に、借主が駐車場用の屋根(建物ではない)を作ることを認めるケース
4.駐車場ビルを作り、そのなかに何区画も作って各区画を貸すケース

など、駐車場の形態もいろいろあります。

それから、従来は、駐車場の契約書を作らないことも結構ありましたが、最近では警察で車庫証明書をとるときに駐車場の契約書を提出しなければならないので、

オーナーも駐車場の契約書の知識が必要

です。

1つの土地を1人の人に貸すケース

このケースでは、通常の「土地賃貸借契約」と同様です。

契約書のはじめに、以下のような目的を明記しておきます。

・本契約は本件土地を駐車場として使用するため賃貸するものである
・本件土地賃貸借契約の目的は本件土地を専ら駐車場として使用するためのものであり、それ以外の目的に使用しない
・本契約は本件土地を駐車場として使用するため賃貸するものであり、本件土地上に建物その他の構築物を絶対に作らないこととする

などです。

「土地賃貸借契約」において、賃貸の目的はとても大切です。ここは大切なポイントですから、充分に気をつけましょう。

一般的に、「一度土地を貸したら永久に戻ってこない」といわれますが、これは、その土地に建物を建てて所有することを目的として土地賃貸借契約を結ぶときです。この場合には、「借地借家法」が適応され、土地を借りた人がしっかりと守られます。

「借地借家法」は、借りた土地に建物を建てて所有することを目的とした場合の法律ですから、運動場などとして土地を貸す場合には「民法」で規定されるので、借地借家法のときのようになかなか土地を返してもらえずに困るようなケースはなくなります。

そういうわけで、駐車場として土地を貸すときも、建物を建てなければ民法で定められた規定が適応されます。先ほどから目的が大切だといってきたのはこのためで、

「駐車場として使うために土地を貸す」と明記することが重要

なのです。さらには、「建物を建てないこと」と契約書に但し書きをすれば、なお良いでしょう。

それから、契約書を交わすさいに、駐車場契約書でなくて、市販の「土地賃貸借契約書」を使うときには、必ず「建物所有のため」という文を消して、「駐車場として使うため」と記載し直しましょう。

駐車場内でのトラブルと予防法について

1.駐車場内での車の盗難や損傷トラブル
駐車場を貸すときに気になるのが、駐車場内で車が盗まれたり傷をつけられたりするケースです。

露天の駐車場の場合、オーナーには責任はないのですが、念のため契約書には、貸し主が責任を負う場合について記載し、その他の場合には

「責任なし」としっかり書いておく

ことです。

2.賠償金額の上限を決めておくこと
貸し主が責任を負う場合にも、賠償金額の上限として、「駐車場料金の月額の○倍まで」と

賠償金の上限を設定しておく

ことをお勧めします。上限の金額の目安は、月額料金の50倍から100倍程度がよいでしょう。

3.損害保険を利用する
駐車場の台数が多い場合、トラブルも多くなりやすいですから、駐車場内で起こった事故について

損害保険をかけておくとベスト

です。

4.放置自動車のトラブルについて
自動車を放置されてしまうのは困りますよね。そうはいっても、他人の持ち物を勝手に処分してしまうわけにもいきません。

対策法としては、契約書に「契約後○ヶ月以上料金未払いで放置された車は、所有権を放棄したとみなして貸し主が処分できる」旨を明記しておくべきです。事前に契約書に明記してあるのですから、仮に

放置自動車がでてきても処分することができます。

土地の有効活用のためのアイデア

自分の所有している土地が、立地条件がよいところならばいいですが、そうでなくてもアイデアを絞れば有効に活用できる場合があります。

分譲マンションなどでも、介護サービスや託児サービスがついていたりペット可の物件などにすると、多少交通の便が悪かったり近隣の施設が充実していなくても、人気が出ることがあります。

パートナーを活用して資産運用する方法

土地信託方式について

土地信託は、自分の土地を信託銀行にまかせて運用してもらい、利益がでたら還元してもらう方式です。

土地信託のメリットとしては、経験豊富な専門家が土地の運用をしてくれるため、長期にわたって

安定的な利益を得られる可能性が高い

という点です。管理や運営のすべてを信託銀行側が行いますので、地主は手間がかからないというメリットもあります。

しかし、得られる収入は、運用を委託した信託銀行がどの程度の力量を持っているかに左右されます。そして、土地信託を委託できるのは、ある程度大きな土地の場合で、

小さな土地の場合には受け付けてもらえない

こともあります。

事業委託について

事業委託は、ハウスメーカーやデベロッパー(開発事業者)が、土地のオーナーと契約を交わして、賃貸アパート・マンションを建てて運営を行う方式のことです。

オーナーは建設費用を負担して、賃料を得ることができます。さらには、物件を一括借り上げする方法や、家賃保証システムなど、事業受託の選択肢にはさまざまなものがあります。

オーナー側からみると、土地や物件を持ったままで、経験豊富な専門家の腕で、

安定的な賃料を得ることができる

ので大変魅力的です。

でも、物件の建設費用や管理の委託料などは負担しなければいけないので、賃貸料金が下がったりすると

収入減につながるケースも

あります。

等価交換システムについて

「等価交換システム」とは、オーナーが自分の土地を出し、業者が建設費用を出して賃貸物件を建設して管理運営する方式です。

オーナーの土地代と業者の建設費用の負担割合に応じて、物件の床面積で分けるのが一般的です。オーナー側からみると、土地の一部と建物の一部を等価で交換したのと同じような結果になることから、等価交換システムと呼ばれています。

この方式だと、

元手なしでも土地の運用が可能

ですが、

土地の所有権を業者と共有

しなければならないというデメリットもあります。

定期借地権設定方式について

「定期借地権設定方式」については、地方公共団体などに定期借地権の設定などをして土地を貸し、オーナーはその賃料を収入とするものです。一般的な借地とは違って、一定の期間が過ぎれば土地がオーナーに返却されます。

たとえば、公社などの定期借地権制度は、オーナーが公社などに土地を貸して、この土地に公社などが賃貸や分譲の住宅を建てて運営します。厳密には「権利金払い地上権方式」と「地代払い賃借権方式」があります。

公社などでは、定期借地権付きの住宅が売り出されているので、興味がある人は、各地の公社などに聞いてみるとよいでしょう。永久に自分の土地になるわけではありませんが、

ある一定の期間だけ自分たちのマイホームが欲しいという人にはお勧め

です。

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